現在/過去
- 2002
- 0.6×2.5×6cm
- 素材:木材、ゴム印
Photo: Rinko Kawauchi
現在という瞬間は判子を押すともう過去になってしまいます。
時間について、とくに瞬間について考えると、「現在」を認識することは
不可能なことに思えてきました。過去という文字が現れた瞬間の
はっとした感覚そのものが、時間の最小単位なのかもしれません。
人間の認識そのものにもわずかな時間がかかっていることを考えると、
自分自身の中に決して追いつけない「ずれ」があります。さっきの自分/
今さっきの自分/今の自分。自分の記憶をさらに微分していったとき、
自分はどこにいるのでしょうか?まばたきは自分の「今」を切り取る
最もシンプルな現象のような気がします。