目薬の銃
- 2005
- 1.4×8.3×5.3cm
- 素材:プラスチック、目薬
子供の頃どうしても目薬をさすことができなくて、いつも指先がふるえました。
ふとそのことを思い出し、目薬の怖さは自分自身に銃を向けるような
感覚ではないかと思いました。ねらう「的」は自分の目。目薬は「的」が見えないから
むずかしいのではないかと思いました。
目薬が空中で球体になり、まさに鉄砲の弾のようです。そこに景色が映り込み、
景色もろとも目の中に飛び込んできます。容器の制作中、シンクに水を溜めて水滴を
落としていたところ、同心円の波紋が「的」に見えました。水滴の弾が確実に
中心を打ち抜いているような感覚になり、百発百中の鉄砲を手にしたような気分です。