Photo:Takashi Sekiguchi / Vda / amanagroup
空気の人
- 2007
- 190×60×90cm
- 素材:プラスチックフィルム(HEPTAX)、ヘリウムガス、空気
空気に溶けるような繊維と形容されている極薄の繊維の魅力を
引き出すために、空気よりも軽い人体を制作しました。ヘリウムガスの
浮力と繊維の重さとのバランスに着目し、空中で絶妙に釣り合う
体勢を探しました。
常に人体の浮力の分だけ繊維が離陸し釣り合うようになっています。繊維は人体を
地面につなぎとめる命綱であるとともに、その生命力を示す指標になりました。
ヘリウムガスはミクロン単位の隙間からゆっくりと抜けていきます。しだいに生気を失い、
人体が萎み、繊維も着地します。展示中、人がポンプでヘリウムを補給する様子が
何とも言えず不思議な光景でした。
《空気の人》を全長12メートルに拡大して、羽田空港のロビーに浮かべました。
ロビーに居合わせた人たちの呼吸する空気や、各地の空港から運ばれてくる
空気をおへそに設置した電動ファンから吸い込み、膨らみ続けます。